<カラス>フランス料理に登場 美味で役立つ?
果樹や野菜栽培が盛んな長野県では、カラスの食害は深刻だ。収穫前のブドウや桃にかぶせる袋を取ったり、アスパラガスの芽を食べたりして農産物被害は08年度以降、毎年1億円前後に及ぶ。09年度の捕獲数は1万1785羽で東京都に次ぐが、その大半は焼却処分されていた。
そんな中、茅野市北山のフランス料理店「エスポワール」のメニューに「信州産ハシボソガラスのロティ(焼き)」が登場したのは昨年11月。オーナーシェフの藤木徳彦さん(40)が、フランスの古い料理本に<カラスの肉は意外に、高級食材のシギなどと共に大変美味だ>という記述を見つけたのがきっかけだった。
独自に考案したレシピは、肉をローストし赤ワインのソースをかける本格的な一品。1羽から2人分の材料が取れる。「鶏の砂肝のような食感で野性味があり、イメージと違っておいしい」と藤木さん。実際に食してみると、鶏では味わえないしっかりとしたかみごたえに、適度なうまみもあって確かに意外と美味。ランチのコースとして前菜などを含め6300円で提供しているが、「赤ワインによく合う」「一度味わうとやみつきになる」と反応は上々、リピーターも多い。カラスは知人のハンターや捕獲した自治体から仕入れている。
藤木さんは、カラスを含めたジビエ(野生鳥獣の肉)料理を普及させようと、旅行会社や研究者を巻き込んだ全国組織「国産ジビエ振興連絡協議会(仮称)」の設立を呼び掛けている。増え続けるシカなど有害鳥獣の対策や食肉利用を考える協議会で、東京や大阪など都市圏に消費拡大を図る狙いだ。「カラスの難点はイメージ。『山ガラス』などと名付けて改善させたい。一般に広めるにはミートボールなどひき肉料理も適している。価値ある資源として普及させたい」と意気込む。
08年からカラスの捕獲おりを設置したり、ハンターへの補助金を計上して駆除を進める同県中野市農政課は、食肉利用の可能性について「流通体制が整い、有効活用できるなら一石二鳥だ」と期待する。狩猟関係者も「『売れる』となれば捕獲が進み、農業被害も軽減される」と喜ぶ。
実は山国の信州には終戦直後の食糧難の時代ごろまで、カラスの肉を食べる習慣があったそうだ。長野県上田市の民俗研究家、益子輝之さん(70)によると、冬場のたんぱく源として、肉をすりつぶしておからを混ぜ、みそを塗って焼く田楽(でんがく)料理にして食べていた。「魚があまりとれない地域で、肉の量も多いので食べられていたのでしょう」と益子さん。
約8年前にカラス肉の特質をまとめた帯広畜産大の関川三男元教授(59)は「残留した重金属や農薬はなく、微生物検査も問題なかった。女性に不足しがちな鉄分が鶏肉に比べて多く、食肉としての価値はある」と安全性などにも太鼓判を押す。
東京都の石原慎太郎知事は00年、カラス退治の一環として「東京名物としてカラス肉のパイを作ろうと思う」と発言したことも。「おいしい食材」と思えばカラスを見る目も変わる?
そういえば、スズメとか出す店はあってもカラスは聞いたことなかったですね。
鳥なら大抵食えるだろうとは思ってたけど…w
しかし不吉とかってイメージはどこから来たんだろうか。
黒ってのがそういうのを連想するのかな。
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