大学のアイデア節電…夏休みも研究活動
◆使用量「見える化」 「本日の午後2時から1時間の電力使用量は前年に比べて73%、付属病院は67%」。東大(東京都文京区)の節電対策を担当する平井明成施設部長は、パソコン画面の数字を確認しながら満足そうな表情を浮かべた。
東京電力管内の五つのキャンパスで年間約3億1600万キロ・ワット時の電気を使う東大は、都内有数の大口使用者。前年比25%減を目指して使用電力の「見える化」に力を入れている。
日立製作所や東芝などと共同運用するシステムは、各キャンパスの受電施設から1時間ごとの電力使用量のデータをサーバーに集め、前年比の割合とともに大学ホームページで公開している。直前の電気の使用量がわかるため、使っていない部屋の照明を消したり、エアコンを切ったりして効率的な節電を実践している。平井部長は「これなら節電と研究活動を両立できる」と話す。
◆懸賞コンテスト 東京農工大小金井キャンパスでは平日午前と午後の2回、打ち水が行われている。同大が、学生を対象に懸賞金付きの「省エネ・節電アイデア」コンテストを6月に実施し、169件の中から奨励賞(1万円)に選ばれた対策だ。
優秀賞(4万円)には、〈1〉サークル棟で部室の空調や冷蔵庫の使用をやめる〈2〉研究室で使っていない機器のコンセントを抜いて待機電力を減らす〈3〉どこまで電力を削減できるのかを洗い出す――が選ばれ、纐纈(こうきつ)明伯(あきのり)副学長は「節電効果が高まった」と喜んでいる。
◆米国の仲間が協力 スーパーコンピューターの使用を制限したのは筑波大学だ。付属病院に優先的に電力を回すために、同大計算科学研究センターはピーク時の使用量を前年比3割減らす目標を立て、7月1日から大量の電力を使うスパコン3台のうち1台を止めている。
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