<牛丼戦争>吉野家独り負け 11月売上高8.2%減
「牛鍋丼は牛丼より100円安く、豆腐など具材も多くてヘルシー。最近は牛鍋丼ばかりで牛丼を食べなくなった」。9日昼、吉野家の有楽町店(東京都千代田区)で牛鍋丼を食べた都内の会社員男性(61)はこう話した。店内に入りきれない客もいて混雑している半面、牛鍋丼ばかり注文されている印象だ。
吉野家は、ライバル2社が牛丼値下げに踏み切った昨年12月以降苦戦し、牛肉の使用を減らした牛鍋丼を発売した。この効果で9月は客数が前年同月比24.5%増と大幅に伸び、既存店売上高も同5.9%増と19カ月ぶりのプラスに転じた。
しかし10月に既存店売上高は3.8%減と再びマイナスに陥り、牛キムチクッパは牛鍋丼ほどには客を呼ばず、11月はマイナス幅を広げた。客数は10、11月も10.6%増、4.8%増となったが、客単価の低い牛鍋丼の注文が多く、売り上げ増に結びつかなかった。
一方、すき家は、今年2月から既存店売上高が前年同月比でプラスと好調。9~11月は客単価が1割前後減ったが、客数は3~4割程度も増え、客単価の減少を補っている。松屋も同様の構図だ。
吉野家とライバル2社が客数で明暗を分けたのは「メニューの豊富さの違い」(アナリスト)と指摘される。吉野家の丼メニューは牛丼、牛鍋丼など4種類だけだが、すき家は牛丼だけでもキムチやチーズ、セロリなどをトッピングしたものなど10種類、牛丼以外では豚とろ丼やまぐろたたき丼など9種類と多様でファミリー層にも人気だ。松屋はカレーや定食など丼以外のメニューが充実しており、牛丼以外を目当てに来る客も多いという。
これに対し、吉野家は「低価格メニューは客足を戻す緊急策。9月は特別良かっただけで、10月以降は想定の範囲内」(広報)と強気の姿勢。12月から人気の牛鍋丼を巻き込み売り上げ増を図ろうと、牛鍋丼に追加する具材「追っかけ小鉢」として豆腐(50円)とねぎ玉子(70円)を投入した。
いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主任研究員は「低価格メニューで客を呼び戻す吉野家の方向性は間違っていない」とした上で、「メニューを増やすだけではもともとメニューが豊富なライバルと勝負にならない。吉野家ならではの価値ある商品開発が求められる」と指摘している。
- 関連記事
-
- ソフトボール、アジア大会から除外?
- <牛丼戦争>吉野家独り負け 11月売上高8.2%減
- 【10/12/10】ドラゴンズニュース


コメントの投稿
Unknown
そーゆー声ゎ結構聞きます。
一度離れちゃったら戻すの難しぃしってことでしょうが…。
Unknown
このまえ久しぶりに行ったら、「牛キムチクッパ大盛り」って声が聞こえて思わずそっち見てしまった。