【13/1/8】ドラゴンズニュース
“正月太り”リセット法
「言うまでもありませんが、いわゆる寝正月だと、消費カロリーが減少して脂肪が蓄えられやすくなります。保存食であるおせちは糖分・塩分が多く、カロリーも高め。おもちの食べすぎや、糖質の多いビールや日本酒の飲みすぎも肥満のもとです」
そう教えてくれたのは、『岸村式 食べちゃダメなものはない! ダイエット』(メディアファクトリー)の著者で、管理栄養士の岸村康代さん。アタマではわかってるんですけどね…。寝正月でも正月太りを避ける方法はないものでしょうか?
「例えば、お雑煮は野菜をたっぷり入れておもちの個数を減らせば、腹もちはいいままカロリーダウンに。お酒もビールや日本酒より、糖質の少ない焼酎やウイスキー、ワインの方が、肥満のリスクは低くなりますね」
なるほど、調整する方法はあるんだ。とはいえ、やっぱり新年の幕開けであるお正月くらい、カロリーとか体型を気にせず、パーっと食べて飲みたい! そんな暴飲暴食をなかったことにできるような、都合のいい手はありませんか?
「バランス良く栄養が摂れていないと、余分な脂肪が溜まりやすく、太ったり病気の原因になったりしてしまいます。そこで、元日に暴飲暴食したら、2日目は野菜をたっぷり摂りましょう。毎食、両手いっぱいの野菜を食べられるとベスト。加熱した野菜なら片手いっぱいくらいです。特に、ごぼうやほうれん草などの食物繊維豊富な野菜は、余分なものの排出を助けてくれます。また、食事の最初に野菜を食べると血糖値の上昇を抑えられるので、脂肪を蓄えにくくなりますよ」
正月明けは、具体的にどんな食事にすればいいでしょう?
「朝はお酒で弱った胃腸をいたわる意味でも、野菜スープや野菜ジュースにすると消化にいいでしょう。お昼は、男性でも簡単に作れる野菜サラダ。たんぱく質も毎日摂りたいので、納豆ごはんもプラスしましょう。夜は野菜炒めやきんぴらごぼう、おひたしに、豆腐のみそ汁といった定食スタイルで。炭水化物をカットしつつ、3食しっかり食べれば、体がスッキリするはずです。それでも体が重ければ、3日目も野菜中心にしてみましょう。特に、夜の食事に気をつけると効果的です」
モグモグモグモグ・・・・。


tag : 正月太り
ドラえもん、ポケモン…人気キャラ抱えるアニメ産業、出遅れた海外市場開拓のカギ
日本のコンテンツ産業の市場規模(2010年352億ドル=約2兆7000億円、11年も2~3兆円程度の規模)は、米国(2010年の市場規模は1078億ドル)に次ぐ規模を誇り、コンテンツ大国といわれている。ただ、最大の弱点は、海外でも人気のある数多くのキャラクタ-ブランドを持ちながら、これまで国内市場にのみ目を向けるあまり、海外市場の開拓に積極的に取り組んでこなかったことである。そのため、日本のコンテンツビジネスは海外で稼げるグロ-バルビジネスに成長していない。日本のコンテンツ産業の海外輸出比率は5%程度で、米国の18%の3分の1以下である。
例えば、日本のアニメ産業の市場規模は、11年度でおよそ2300億円、関連産業を含めても4000億円程度の市場規模である。若者の人口減少の影響で国内の市場規模が縮小していく中、国内市場のみ目を向けていては今後の成長が望めない。成長していくには、海外市場の開拓が大きな目標になる。
幸いなことに日本のアニメキャラクタ-は海外で非常に人気があり、
「ドラゴンボール」
「セーラームーン」
「ポケモン(ポケットモンスター)」
「ハローキティ」
「マリオ」
「ドラえもん」
「マジンガーZ」
「仮面ライダー」
「NARUTO」
「忍者ハットリくん」
など数多くのブランドが海外で受け入れられている。海外でせっかくこれだけ多くの人気キャラクタ-ブランドを持ちながら、これまで海外市場開拓に熱心でなかったのが不思議なくらいである。
●海外展開が難しいコンテンツ産業
アニメをはじめとするコンテンツ産業は、それぞれの国の法律や制度、歴史・言語・文化、宗教や価値観、教育や生活習慣などの影響が大きいため、世界中で普遍的に通用しやすい工業製品と異なり、ビジネスの海外展開が非常に難しい。これまで海外進出にあまり熱心でなかった理由の1つは、こうした制度や規制、言葉や文化の“大きな壁”があったからだ。これらの壁をいかに突破するかが、最大の課題になる。
例えば、米国のディズニ-社では、アニメ作品などコンテンツを制作する当初の段階から、世界中でのビジネス展開を考えている。米国内だけでなく、世界中でヒットする作品をいかにつくるかにエネルギ-を集中する。そのため、コンテンツ制作に当たっては、次のようなきめ細かい配慮がなされている。
(1)徹底してエンターテインメント性を志向している。世界中でヒットする作品を企画し、制作する。それがヒト、モノ、カネ、情報、技術を呼び集め、さらに大きなビジネスチャンスをつくっていく。
(2)脚本は、ストーリー構成がしっかりしていて、民族・宗教・人種・習慣などの違いや壁を超えて、人類や人間社会に普遍的に当てはまるテ-マを選び、みんなが楽しめるように創意工夫している。
(3)キャラクターも、世代や国境を越えて広く、末永く愛されるように、プロの制作スタッフだけでなく、世界中のファンからいろいろなアイデアや意見を募り、作品づくりに生かしている。
ディズニ-の場合、海外を含めたライセンス収入などで構成するコンシューマープロダクツ部門の2011年度売上高は、30億4900万ドル(約2400億円)に上る。海外展開の拠点として各国に現地法人などをつくり、
(1)ブランド戦略やライセンス管理など、本社主導で統一して行う世界戦略
(2)現地のニ-ズに応え、現地企業とも連携して行う現地化戦略
をうまく組み合わせて行っている。これは何もディズニー社に限らず、米国の大手エンターテインメント企業はどこも実施していることだ。
●海外展開に積極的に取り組む企業が増加
最近になって、日本でもコンテンツビジネスの海外展開に積極的に取り組む企業が増えてきた。
玩具大手・タカラトミーは、人気キャラクターの「ポケモン」の玩具を、日本・アジア・欧米など世界市場で企画・販売する権利を取得し、ブランド戦略・商品化戦略・マーケティング戦略・ライセンス戦略を有機的に結合し、統一したビジネス戦略を効果的に展開することで、海外市場の開拓を進めている。これまでこれらのビジネス戦略がバラバラに行われていたため、海外市場の開拓や海外収入の確保という面で、大きな成果が生まれていなかった。統一した世界戦略と現地に適応した現地化戦略を巧みに組み合わせたビジネスモデルをどう構築するかが、今後の課題になる。
現地化戦略では、日本の人気野球マンガ・アニメの『巨人の星』が、インド版『ライジングスター』にリメイクされて企画・制作・放映されている。『巨人の星』のアニメ化を手掛けた日本の制作会社とインド企業がそれぞれ分担して、原作の内容やストーリーの大筋を生かしながら、現地のニーズを柔軟に取り入れて共同制作している。
舞台はインド最大の都市ムンバイで、星飛雄馬ならぬ主人公のインド人「スーラジ」が挑むのは野球ではなく、インドで人気のクリケットだ。ディズニー社の場合、自社の作品の変更・修正・リメイクは一切認めておらず、ブランド・商品化・ライセンス・マ-ケティングまで本社主導で完全にコントロ-ルされている。
しかし、海外ビジネス展開や海外市場開拓に遅れた日本の場合は、
(1)本社主導の統一した世界戦略
(2)現地企業と連携した現地化戦略
の巧みな組み合わせ(ハイブリッド戦略)が必要になろう。
こうしたハイブリッド戦略の成功事例としては、サンリオの「ハローキティ」などがあるが、今後早急にグローバル戦略とローカル戦略を組み合わせたビジネスモデルの構築が課題になる。
インドは、中国のような外国アニメの規制がほとんどなく、日本の国内市場が縮む中で成長市場として大いに期待できる。日本とインドの間では、12年4月にアニメ・映画・デザインなどクリエイティブ(コンテンツ)産業に関する経済交流・産業協力の政府間合意がなされており、その意味でも追い風になっている。
●トランスフォーマーの成功事例
さらに、海外の市場開拓・ビジネス展開で注目されるのは、日米合作アニメ「トランスフォーマー」シリ-ズの成功と、その経験事例である。
タカラトミーが制作・販売している変形玩具「トランスフォーマー」が、米国の玩具メーカー・ハズブロ社やマーベル・コミック社と連携して、日米合作の「トランスフォーマー」シリーズとして販売されたことにより、米国をはじめ世界中で大ヒットした。この作品は、
・玩具(タカラトミー社)
・アニメ(多彩なアニメ作品)
・ゲ-ム(ニンテンドー、プレイステーション)
・映画(マイケル・ベイ監督による日米共同製作)
・テレビ番組(日本テレビ、テレビ東京)
など複数のフィールドで「ワンソース・マルチユース」で商業展開されて、成功を収めている。トランスフォーマーの世界的なメガヒットは、マルチメディアのシリーズ作品において、日本企業だけでなく日米合作で推進したことが大きな成功要因だ。
(1)西洋人の「ロボットは悪魔」という偏見を打ち破った独特の世界観
トランスフォーマーと呼ばれるロボットは、生命体で宇宙人であるが、地球の環境に溶け込むため擬態能力を持っており、さまざまな形に変形するという斬新なアイデア。
(2)「宇宙人が攻めてくる」という、ドラマチックに設定された「ストーリー」展開
トランスフォーマーと呼ばれるロボットが、正義のサイバトロンと悪のデストロンに分かれて抗争する。
(3)敵味方に分かれて登場する多彩な「キャラクター」を持った登場人物たち
日本人だけではとても思いつかないような「斬新でユニークな世界観やアイデア、多彩なキャラクターの登場人物、ドラマチックなストーリー設定」が、日米合作の制作チームによってつくられたことは、メディアコンテンツの世界展開を行う上で、「何が重要で、どうつくったらよいか」という点について、非常に貴重な経験やビジネスモデル構築のヒントを提供している。
アニメに限らず、コンテンツ作品は価格勝負の工業製品と違って、作品そのものの価値が優先される。
世界中の多様な価値観に受け入れられるには、柔軟な提携戦略や協力関係の構築が必要といえよう。


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