ソニー、赤字2200億円
純損益の赤字は4期連続で、11年3月期(2595億円の赤字)に続き2期連続で2000億円を超える赤字となる。1日には平井一夫副社長を社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格させる人事を発表。4月から新体制で抜本的な経営立て直しを図る。
12年3月期は円高で営業損益が約200億円押し下げられる見通し。タイの洪水による影響額は昨年11月時点に予想した約250億円から約700億円に拡大。国内や欧米などでは販売不振もあり、売上高は6兆4000億円(従来予想6兆5000億円)に、営業損益は950億円の赤字(同200億円の黒字)に下方修正した。
2日記者会見した加藤優最高財務責任者は「大変厳しい数字となった。東日本大震災と超円高、タイの洪水という三つの要素がかなり事業に影響している」と述べた。
ソニーも大変なようで…。


首位奪還も喜べないドコモ ソニーのゲーム機頼みという凋落ぶり
大阪・日本橋。師走も押し迫った昨年12月17日、上新電機の家電量販店「ディスクピア日本橋店」(大阪市浪速区)には開店前の早朝からSCEの新型携帯ゲーム機「プレイステーション Vita(ヴィータ)」を買い求めるゲーム愛好家の長い列ができた。
初週で32万台を販売したPSヴィータは無線通信対応機種と、携帯電話回線に対応した機種の2タイプが発売され、回線にはドコモの「プリペイドデータプラン」を利用する。この契約数がドコモの「プリペイド契約」の19万件に含まれており、昨年12月にドコモが首位を奪還した原動力となった。
このように集計にはPSヴィータやデータ通信カード、フォトフレームのような携帯電話以外の契約も含まれるため、業界内では純増数イコール各社の力関係という考え方に、疑問の声も上がっている。
KDDIの田中孝司社長は、産経新聞のインタビューで「携帯(契約の)純増数の勝負が重視されているが、実態を反映しなくなってきている」と指摘。「実質的な純増は追うが、いたずらに純増を追うような考えからは一抜けしたい」との方針を示している。イー・アクセスも同様の理由で12月から純増数の公表を取りやめた。
実際、各社間の契約者の移動を示す番号ポータビリティ(MNP)の12月の利用実績では、ドコモがマイナス9万4400件と大幅な転出超過。一方、KDDIは5万5400件の転入超過、ソフトバンクも3万9000件の転入超過と純増数とは逆の結果が出ている。
KDDIは、スマートフォン(高機能携帯電話)でトップのブランド力を持つ米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を発売以来、契約は好調に推移している。これに対し、ドコモはアイフォーンを販売しておらず、主な国内外メーカーの携帯電話の多くはライバル会社でも販売されている。いまや携帯電話で独自性を打ち出すのは難しく、今後も苦戦が予想されるだけに、サービスやイメージ戦略で差別化を図らざるを得ない状況だ。
その意味では、ソニーのゲーム機と連携したドコモの戦略は大成功。さらに昨年からは高速データ通信規格「LTE」を利用した新サービス「Xi(クロッシィ)」を導入し、高い評価を得ている。
年明けからは、学生がいる家庭向けの料金キャンペーンに合わせ、アイドルグループのAKB48を起用したテレビCMを開始。学生の人気が高いAKB48の起用で、キャンペーンをアピールする。また、日本語と英語など異なる言語で会話できる携帯電話向けの「通訳電話サービス」のサービスも予定しており、巻き返しに懸命だ。
ハード(携帯電話)のみの勝負から、ソフト・サービスを含めた総合的なサービス競争で、真のトップに返り咲くことはできるのか-。王者ドコモの今後の行方が注目される。


<PSVita>2日間で32万台 3DSには及ばず
「PSVita」は、5インチの有機ELのディスプレーを実装し、Wi-Fi通信や携帯電話回線(3G)など通信機能が充実。前面ディスプレーと背面にタッチパッドが用意されているほか、ジャイロセンサーや加速度センサーを備える。価格はWi-Fiモデルが2万4980円、3G・Wi-Fiモデルが2万9980円。10月に事前予約を受け付けたところ、インターネットでは20分で“完売”し、発売日の17日の朝には東京都内の大手量販店に長蛇の列ができて話題になった。
調査はファミ通データ協力店3600店の売り上げデータを基に集計した。


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